不動産業者の種類とは?〜業種別ランキングTOP5も紹介〜

こんにちは。ゆきまるです。

今回は、不動産業者の種類と仕事内容についてお話したいと思います。

不動産の現場に身を置いていると、お客様から「不動産業者って何?どんな仕事をしているの?」という直球な質問をいただく事が意外と多くあります。

例えば不動産売買の場合、不動産業者(戸建て業者)が売主の物件を、他の不動産業者(売買仲介業者)が仲介する。といったケースはよくあります。

売主は不動産業者なのに、なぜわざわざ他の不動産業者に売却を依頼しているのか?不動産業者の種類と仕事内容を知れば、こうした疑問も解消です!

”不動産業者”と、よく耳にするものの、実はその種類は複数あり、一つひとつ、仕事内容は奥深く専業特化されています。不動産業者間でも”餅は餅屋”の関係が成り立っているんですね。

皆さんがイメージしやすいように、不動産の業種別に、その仕事内容(今回は概要のみをざっくりお話しします)と代表的な企業をランキング形式で紹介していきます!それでは早速見ていきましょう!

不動産仲介業者(賃貸・売買)

不動産仲介業は、駅前やロードサイドに店舗を構えているケースも多いため、皆さんにとってイメージしやすく、比較的馴染みがある業種といえます。

不動産仲介業には、主に賃貸物件を扱う「不動産賃貸仲介業」と、主に売買物件を扱う「不動産売買仲介業」の2つに分類されます。

仲介業というくくりでは、不動産賃貸業も不動産売買仲介業も同じですが、その業務内容や性質は大きく異なるため、それぞれ専業特化しているのが特徴です。

不動産仲介業(賃貸)

賃貸仲介業は、皆さんにとって1番馴染みがある業種といえます。アパートや賃貸マンション、店舗やオフィス等の賃貸物件を、物件を借りたい借主に紹介する仕事です。

賃貸仲介業は、不動産を貸したい貸主と、物件を借りたい借主をつなぎ、賃貸借契約を締結する仕事です。

2021年 不動産賃貸仲介件数ランキング TOP5
順位業者名仲介件数(件)
1位大東建託グループ227,706
2位ミニミニ145,496
3位ホームメイト
(東建コーポレーション)
75,437
4位ハウスメイトグループ67,324
5位タウンハウジング55,529
参考:全国賃貸住宅新聞/集計期間:2019年10月~2020年9月末

上記ランキングは、私たち一般消費者を対象としたアパートや賃貸マンションを中心に取扱う賃貸仲介業者です。

他方、法人に特化した賃貸仲介業社としては「三幸エステート」、「三鬼商事」、「CBRE」が有名です。

不動産仲介業(売買)

不動産売買仲介業は、賃貸仲介業よりも馴染みは無いものの、比較的皆さんがイメージしやすい業種ではないでしょうか。

土地や中古の戸建てやマンション、1棟収益アパート・マンション、中古ビル(店舗・オフィス)などの不動産を売却したい売主からの依頼をもとに、買主を探索し、売買契約を締結する仕事です。

取扱う金額も大きくなることから、安全な売買契約を成立させるために、細心の注意が必要な仕事です。

2020年 不動産売買仲介手数料収入ランキング TOP5
順位業者名仲介件数
(件)
手数料収入
(百万円)
1位三井不動産 リアルティグループ42,81884,985
2位住友不動産販売37,71567,063
3位東急リバブル26,43762,261
4位野村不動産グループ9,51535,156
5位三井住友 トラスト不動産7,68420,221
参考:株式会社住宅新報「住宅新報」

不動産管理業者

不動産管理業は、その名の通り、不動産を管理する仕事です。建物のみならず、そこに入居する人に対する管理サービスも提供します。

不動産管理業者は、主に分譲マンションを対象にサービスを提供する業者と、主にアパート・賃貸マンションを対象にサービスを提供する業者に分類されます。

不動産管理業(分譲マンション)

分譲マンションを対象にサービスを提供する業者は、分譲マンションの入居者で組成する管理組合からの委託に基づき、建物の共用部分の保守点検や管理費や修繕積立金の収受、駐車場管理、長期修繕計画の助言、コンシェルジュサービス等を行います。

2020年 分譲マンション管理受託戸数ランキング TOP5
順位業者名管理戸数(戸)
1位日本ハウズイング459,551
2位大京アステージ429,576
3位長谷工コミュニティ366,793
4位東急コミュニティー341,041
5位三菱地所コミュニティ335,980
参考:株式会社マンション管理新聞社「マンション管理新聞」(5月25日付)

不動産管理業(アパート・賃貸マンション)

アパート・賃貸マンションを対象にサービスを提供する業者は、物件オーナーからの委託に基づき、入居者からの家賃の集金、建物の清掃・保守点検、駐車場管理をはじめ、家賃の滞納があった場合の督促や保証、入居者の入退去立合や室内リフォーム提案等を行います。

2020年 賃貸住宅管理受託戸数ランキング TOP5
順位業者名管理戸数(戸)
1位大東建託グループ1,130,218
2位積水ハウスグループ639,780
3位スターツグループ592,018
4位大和リビング584,865
5位レオパレス21575,798
参考:株式会社全国賃貸住宅新聞社「全国賃貸住宅新聞」

ディベロッパー業者

「分譲マンション」、一戸建等の「住宅」を建築する業者です。

建設を伴う用地開発をメインとし、土地を仕入れ、行政や近隣住民と調整・調和を取りながら用地開発・街づくりを行います。

開発した住戸はディベロッパー業者が自ら販売する場合もありますし、売買の専門である他社の不動産仲介業者へ協力依頼して販売する場合もあります。

2019年 「分譲マンション」発売戸数ランキング TOP5
順位業者名発売戸数(戸)
1位住友不動産5,690
2位プレサンスコーポレーション5,305
3位野村不動産3,941
4位三菱地所レジデンス3,365
5位三井不動産レジデンシャル2,365
参考:㈱不動産経済研究所「全国マンション市場動向」
2019年度 「住宅」総販売戸数ランキング(上場企業) TOP5
順位業者名発売戸数(戸)
1位大和ハウス工業43,703
2位積水ハウス43,314
3位旭化成ホームズ16,249
4位積水化学工業(住宅カンパニー)13,160
5位パナソニックホームズ(パナホーム)9,805
参考:㈱住宅産業新聞社「住宅産業新聞」2020年6月25日付

その他の不動産の業種

近年では不動産の業種も多岐に渡り、これまでにお話しした種類の他にも、資産管理(大家)業や、サブリース・リース建築業、買取転売(リフォーム・リノベーション)業、不動産投資顧問業、不動産コンサルティング業等があります。

資産管理(大家)業者

収益不動産を保有する個人資産家や一般事業法人が、保有物件の規模が大きくなってきたときに、自分が保有する不動産の資産管理を行う会社を新たに設立するケースがあります。

イメージとしては、大家さんが資産管理業者(会社)になるようなイメージです。

資産管理業者(会社)は、自身の不動産を管理し、税務処理を効率化する事を目的に設立するため、宅地建物取引業等の許可を取得していないケースも多くあります。

こうした資産管理業も不動産業者の一つと言えます。

サブリース・リース建築業者

サブリース業は、アパートや賃貸マンション、貸し店舗や事務所を不動産オーナーから一括借り上げし、賃貸経営を行う業種です。

オーナーとサブリース業者で結ぶ契約を「マスターリース契約」、サブリース業者と借主が結ぶ契約を「サブリース契約」といいます。

サブリース業者は、借主からの賃貸収入(サブリース賃料)から、管理費を差引いた賃料(マスターリース賃料)を、毎月オーナーへ送金する事で事業運営を行います。

また、土地オーナーにアパートや賃貸マンション等の建築を提案する専門の会社のことをリース建築業といいます。

大手リース建築業社としては「大東建託」「東建コーポレーション」があげられます。

買取転売業者(リフォーム・リノベーション)

高低差がある荒れた土地や古い建物が建っている土地などを購入し、建物を建てられるような土地に整地して再販売したり、老朽化した建物を購入し、リフォームやリノベーション工事を行い、物件の価値を高めて再販売する業種です。

不動産投資顧問業

不動産投資顧問業は、主に投資家を対象に不動産投資に関する助言や、投資家からの不動産投資の一任契約に基づき投資を行う業種です。

取扱う不動産の金額も高額であり、高い専門性と知識・スキルが必要です。

不動産投資顧問業は、国土交通省の 「不動産投資顧問業登録制度」に基づいており、不動産投資に関する助言のみを行う「 一般不動産投資顧問業」と投資家からの一任契約に基づき業務を行う「 総合不動産投資顧問業」があります。

不動産コンサルティング業者

不動産コンサルティング業は、不動産売買・賃貸・開発・建築等の横断的な高度な知識とノウハウをはじめ、不動産をベースとした法務・税務・財務等の見識を有し、不動産オーナーに対して最良の運用方法を提案し、実行する業務です。

不動産コンサルティング業自体を専門とした企業は殆どありませんが、不動産会社の業種を問わず、大手不動産会社の専門部署として存在するケースがあります(例:コンサルティング事業部や法人営業部、CRE事業部 等)。

不動産コンサルタントには、多彩なノウハウと経験が不可欠であるため、その数は多くはありません。

いかがでしたでしょうか?

不動産業者といっても、その種類は多岐に渡り、専業特化されている事がわかります。

不動産について何か相談したいときに、こうした不動産業者の種類をざっくりとでも知っていれば適切な相談先を選べるようになり、不動産で失敗してしまうような事も防げると思います!

今回のお話もみなさんのお役に立つことを願っています。では!